この本では、表紙のほか挿絵として、上の左3枚の絵が使われています。
今回、自転車は新たに描きました。以前に描いた中から、デザイナーがハンコ屋と薬屋を選び、モノクロで載せています。
大きな絵の5人家族は、初め絵の中に描いたのですが、絵が込み入ってしまうということで「没」。でも、線画に描き直すことで帯の方に復活を遂げました。この家族の様子は、帯に隠れた絵の部分に話がつながっています。
久しぶりに家族そろってのお出かけ。バス停での出来事です。
みんなの前を、蕎麦を担いだ出前持ちが曲芸師のように走っていきます。物まね上手な次女は、さっそく姉と自分のバックで蕎麦屋の真似をして、みんなを笑わせます。一方、お父さんは、時間になっても、なかなか来ないバスにイライラ。そこへちょうど、タクシーが来ました。「しょうがない、タクシーにしよう!」と手を上げ呼び止めました。でもその後ろには、遅れてきたバスが見えるではありませんか。
5人の家族構成は、我が家のほぼ20年前の姿。その頃はすでにマイカーの時代だったので、こんなバスを待つ光景はありませんでした。イメージはそれからまた30年くらいさかのぼります。このお父さんは、ぼくではなくぼくの父。外出のとき、いつも背広にネクタイ、ソフト帽をかぶる父のイメージです。バスしか交通手段がなかった子供の頃、バス停で、よくこんなことがありました。
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